toggle
2019-05-10

おススメ本📖『大量廃棄社会』

『大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実』(仲村和代、藤田さつき著)。
朝日新聞の現役女性記者、おふたりの徹底取材による、廃棄をめぐる驚愕の事実。
おそらくタブーだったのでは。4月に刊行されたばかり、リアルすぎ。よくぞここまで。

安い賃金、劣悪な環境で働かされているのは開発途上国の人々だけでなく、
今や日本に渡った技能実習生までもが同じ状況に陥っていること。
イメージを壊すからとセールせずに廃棄へ回す高級ブランド。
売れないのに大量につくられる続けるモノ、
ゴミを作ってゴミを売っている!?
「販売機会ロス」を防ぐための「たくさん作って余らせて、捨てるほうがまし」という考え、
「コンビニ会計」「3分の1ルール」など、不都合な仕組みに支配されている流通の現場…
などなど、欲望が絡み合い、人や環境が犠牲にされる仕組みが、次々あきらかに。
ヒトってここまでやるんだ…凄い!
今まさにすぐそこで、身近におきていること。

しかし、これは単なる告発本ではなく、すでに透明性を重視して
解決策を探っている人々もきちんと取材。
製品一つ一つの原価を公開して販売するアパレル「10YC」、
捨てないと決めた広島のパン屋「ドリアン」、
製造プロセスをあきらかにした「透明なパンツ」をヒットさせた学生起業家など。
さらに、ここ数年のメルカリの動きにも注目。さて、どう転んでいくのか…

思わぬアイデアが生まれるもので。
人にも環境に負荷をかけず、お金にも仕事にもなる方法をさぐる…
こここそが、この本でもとても興味深い部分。

よくよく考えれば、この大量廃棄社会は、
欲望に身を任せ、いつのまにかモノづくりの背景を知ることもなく、
思考停止に陥ってしまい、消費する日々を送ってしまった
私たち自身が作り上げてしまったのだ、ということに気づき、
一人一人の責任について、大いに考えさせられる。

何が起きているのかわからないうちは不安やあきらめを生むけれど、
こんなふうにして問題点がわかってくると、もう誤った方向へは行きたくない、
あきらめたくない、不安を取り除きたい、そういう気持ちもふつふつと湧いてくる。

知りたかったことがまさにこの本に。
疑問が消えれば、不安も消えてちょいすっきり👍

緑々のオススメ本です。
********************

この本の中にもあるように、なんといっても一番大切なのは「リデュース」。
抑制すること、作りすぎないこと。
必要なものだけ、長く、大切に、繰り返し使う。
いのちや貴重な資源を無駄に使わないこと。
まずはそこからやってみよう、と。

一人一人の選択によって社会は確実に変わる。
そう信じてエシカル消費、自分に何ができるか考えることは意外に楽しいものです✨

 

関連記事