2019-12-11
中村哲医師の訃報に接し
2019年12月4日、中村哲医師が銃弾に倒れ、命を落とされました。
その日以来、哀しみはつのるばかり。
お会いしたことはなく、ご著書や映像で知る限りではありますが、もっとも尊敬するお方でした。
実際にアフガニスタンの不毛の地に赴き、干ばつに苦しむ人々とともに鍬を持ち、
重機を操り、先頭に立って水路工事を手掛け、
また常に日本の支援者への報告を欠かさず積み重ね、ありのままの言葉で支援を募っていた
お姿にあまりに感動してブログに書いたことがありました。
もうこの世にはいない。辛い現実に胸が張り裂けそうです。
『天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い』の冒頭には、幼少時、数年間暮らした北九州、若松のことに触れ、
弱者は率先してかばうべきこと、職業に貴賤はないこと、どんな小さな生き物の命も尊ぶべきことなど、
祖母マン(火野葦平の母)さんの説教が自分の倫理観に根ざしていることなどが綴られています。
目の前の困っている人を見捨てるわけにはいかない
自分の置かれた立場で全力を尽くすこと
どのご著書にも、「ともに生きる」ことで、人間と自らを問い続けた中村医師の確固たる信念が貫かれています。
悲しみにくれるだけでなく、何ができるのか、今一度自らに問いかけようと思います。
感謝の気持ちを込めて、心からご冥福をお祈りします。
※中村哲医師の関連書籍は、緑々の本棚でご自由に閲覧できます。
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